クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
 驚いて振り返ると、見たものすべてを凍らせるような冷たい眼差しの遥人さんがいる。

 どうしてここに?

 遥人さんは水輝をジッと見据えた後、彼の手首を捻り上げて引きずるようにして私から距離を取らせた。

「痛いな! なにするんだよ!」

 動揺して水輝の声が上擦っている。

 それもそうだろう。水輝の身長は一六八センチ。それが一八〇センチを超す遥人さんに見下ろされれば、嫌でも威圧感を抱くはずだ。

「それはこっちの台詞だ。小春に乱暴な真似をして、どういうつもりだ」

 小春と呼び捨てにされて、こんな状況なのに胸がしめつけられる。

「乱暴って、大袈裟だな」

「小春は肩を怪我しているんだ。あんなふうに掴んで、乱暴以外になにがある」

 遥人さんの言葉を受けて水輝は舌打ちする。

「そんなの知らないし。むしろそっちの方が暴力だろ」

「正当防衛だ」

「ふざけんなっ。それに、俺たちの問題に口出ししないでもらえる?」

 水輝は怯みながらも言い返す。
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