クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「君との関係は、もう終わっていると聞いている」

「そうだけど」

 水輝は顔を歪ませて突き放すように言い放ち、遥人さんを睨みつけた。

 遥人さんを巻き込んで申し訳ない。今度は遥人さんに突っかかるような真似を水輝がしたらどうしよう。

 不安になり、うかがうように見上げると、遥人さんはなにもかも理解しているような眼差しで小さく頷く。

 ありがたい。ずっと彼を避けていたのに、今隣にいてくれるのがこんなにも心強い。

 張りつめた空気を壊したのは水輝だった。はあーっと大きな溜め息をついて、心底面倒くさそうに言う。

「自分の心変わりを、俺に問題があるように言って、誤魔化していたんだろう」

 そうじゃないけれど、否定すれば余計に感情的になりそうなのでグッと耐える。

「おとなしそうな顔して、やることやってたんだな。処女っていうのも嘘だったんじゃないの?」

 遥人さんの前でそんな話をしなくてもいいじゃない。だけどここでまたなにか言ったら、いつまでも話が終わらない。

 奥歯を噛みしめて言い返したいのを必死に堪えた。
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