クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「水輝がまた接触する可能性はないと思います。それにお話ならここで聞きますよ」

「他のスタッフの目もあるだろう。どこで誰が見聞きしているか分からないし。俺みたいにね」

 盗み聞きしていた張本人が言うと説得力がある。

 たしかにこんな場所で、ふたりきりで話をしているのを目撃されるのは困る。

 どうしたものかと思案している私を置いて、「ほら行くよ」と駐車場へ方向転換した遥人さんの背中を渋々追いかけた。

 用事ってなんだろう。不安を抱えながら車に乗り込む。

「近くに公園があったよね。駐車場があるし、そこでいいかな」

「公園ですか?」

「うん。ゆっくり話がしたいから」

 ゆっくりなにを話すのか。自分から罠にはまりに行っているのを自覚しているのに、逃げ出す術が思い浮かばない。
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