クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「連絡をすべて無視されていたから、白峰さんを待ち伏せしようとしたんだ。そしたら先客がいてね。この前の彼だと気づいて、物陰から様子をうかがわせてもらった」

 最初からずっと見られていたと知って羞恥心が膨れ上がる。

「ストーカーみたいで引いた?」

 黙り込んだ私に遥人さんが自嘲気味に笑う。

「引いていませんよ。助けてもらって本当に感謝しています」

「よかった」

 安堵したように微笑む横顔をこっそり盗み見て、いったいこれからなんの話をされるのか更に不安が募った。

 公園の駐車場に着き、暑いから車内で話そうという遥人さんの提案をお断りして外に出た。既婚者と密室で話をするなんてとんでもない。

 木が多くあるので蝉の声がうるさく、耳がおかしくなりそうで思わず耳を両手で塞ぐ。そんな私の行動に遥人さんはおかしそうに笑った。

 久しぶりに見る遥人さんの笑顔に、心が満たされるのを自覚して辛くなる。
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