クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「すみません、私……」

 慌ててフォローしようとしたところで、遥人さんがおもむろに距離を詰めた。

 外気とは違う、彼の体温を感じて心臓が小さく跳ねる。

 私と真正面から向き合い、力尽きたように私の肩に頭をぽすっと乗せた遥人さんは、小さく息をついた。

 触れた部分から、遥人さんの体温がじわじわと伝わってくる。怖いわけではない。むしろ嬉しくて仕方ないのに、後ろめたさがそうさせているのか鳥肌が立った。

 どうして私は好きな人に寄りかかられているのか。突然のことに思考が追いつかない。

「遥人さん?」

 首を捻ると、遥人さんの髪が私の火照った頬に触れてくすぐったい。

 今日はお休みの日だからか髪がセットされておらず、手を伸ばして触れたくなるほどサラサラだ。

「白峰さんには、あんな男よりもっと相応しい人がいるよ」

 私の傷口をそっと舐めるように、遥人さんは優しい声音で諭す。
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