クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「あ、あの」

 心臓がドクンドクンと大きく高鳴っている。声が上擦って、言葉が喉を通っていかない。

「たとえば、俺みたいな」

 頭を起こした遥人さんから真剣な眼差しを注がれて、胸がぎゅうっと締めつけられて痛くなった。

 好きになってはいけない。遥人さんを諦めようとしているのに、そんな無責任な台詞を吐かないでほしい。

「俺は、白峰さんを幸せにできない?」

 いつもより近い距離で囁かれた言葉は、心臓を貫くような衝撃力があった。

 遥人さんは私を翻弄している自覚はあるのだろうか。わざとだとしたら、とんでもなくひどい人だと思う。

「なにを言っているんですか」

「愛の告白以外に、なにがある?」

 一瞬、思考回路が止まり、周りの喧騒が遠退いた。

 私の両肩を力強く掴んだ遥人さんは、逃がさないと言わんばかりに真っ直ぐに私を見据える。

 でも水輝とは違う。私の肩を労わるように、一番痛い場所を避け私に触れる。
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