クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「一年後……」

「さっきも言ったように、小春に合わせるから。プレッシャーを感じないでほしい」

 諭すように微笑まれて胸がキュンと鳴る。

「私は……私も、一年後がいいです」

 目を見開いた端正な顔を見つめながら想いを伝える。

「こんなふうに、すぐに誰かを好きになったのは初めてなんです。今だから言えるんですけど、運命の人ってこういう相手を指すのかなって思います」

 だんだんと身体が火照って汗が噴き出てくる。手で扇いでいたら、いきなり抱きすくめられて驚いた。

「嬉しい」

「そ、それは、よかったです。でも恥ずかしいので……」

 離してもらえますか、という台詞は、遥人さんの唇に塞がれて言わせてもらえなかった。

 すぐに唇を離した遥人さんは、お互いの鼻先をくっつけて笑う。

「俺、舞い上がってるよな」

 私に聞かれても困る。ちなみに私は恥ずかしそうに見せかけて、内心歓喜に沸いている。

「ありがとう。絶対幸せにするから」

 こくりと頷く。

「好きだよ、小春」

 私の耳元で囁く声は慈愛に満ちていた。嬉しくて心が震える。

「私も遥人さんが好きです」

 蚊の鳴くような声になってしまった。遥人さんはそんな情けない私を「可愛い」と言って、もう一度強く抱きしめた。

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