クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「むしろ大喜びするはずだけど。もし肩書きを気にしているのだとしたら、要らぬ心配だよ。伶香だって普通の子だったし」

「そういえば、遥人さんと伶香さんってすごく仲がいいですよね」

「幼馴染だからね。俺よりふたつ下だから、兄の陸とは六歳差か。俺と小春は七歳差だから、似たような感じだね」

 穏やかに話す姿に、それなら本当に心配はいらないのかなと胸を撫で下ろす。

 それにしても幼馴染だったとは。夫婦と勘違いするくらい仲がいいのが納得できた。

「そうそうひとつ大事な話を忘れていた。ここだけの話なんだけど」

 そこで言葉を区切り、遥人さんは私の耳元に顔を近づける。

「今度、アメリカの有名ファッションブランドのクレアと、うちでコラボしたウエディングドレスを販売するんだ」

 企業秘密だからだろう。遥人さんは私にだけ聞こえる声で囁いてから上半身を起こす。

 耳元が湿る感じがまだ残っていて、心臓がトクトクと小刻みに鼓動する。
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