褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
緊張のあまり下を向いていると、ドレスの絵を見た先輩が「わぁ~!」と興奮気味に声を上げた。



「これはお花のドレス?」

「はい……」

「可愛い! あ、お揃いで花冠もあるんだね!」



まるで女子みたいにキャッキャはしゃぐ西尾先輩。

年上だけど……なんか可愛い。


テンションが上がった先輩は、次にスケッチブックに手を伸ばした。


いよいよだ……。

テーブルの下でスカートを握りしめる。



「おぉ~! 可愛いワンコだね!」



……ん? ワンコ?



「うわっ懐かしっ! これハピじゃねーか!」



急いでスケッチブックを見ると、そこには昔飼っていた、雑種犬のハピの絵が。



「ごめんなさい! 間違えました……!」

「大丈夫だよ~!」

「懐かしいなぁ。他にも見ていい?」

「ちょっと……!」



それ、小学生の時に描いたやつだから下手くそなのに……。

もう! ダメじゃん私! ちゃんと中身を確認しなきゃ!



「犬飼ってたの?」

「はい。私が生まれる前から飼ってて……」
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