褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

「欲しい答えをあげることができないんだよ。だからもう、俺に助言を求めないでくれ……」

「大変だったな……お疲れ」



テーブルに突っ伏した兄の頭を優しく撫でる先輩。

いつも明るく笑ってたけど、お兄ちゃんも色々と苦労してたんだ。



────
──



昼食を終えて、各自部屋に戻ろうとすると。



「あ、そうだ、この前見せられなかったスケッチブック見せてやれよ。この前間違えてハピの絵見せたじゃん」

「あぁ……そうだったね」



その絵見せたの、対面式の日だったっけ。
ってことは2ヶ月くらい前か。

あれから新しいのを何枚か描いたんだよね。せっかくだからそれも一緒に見せよう。



「何冊か持ってきますね」

「ありがとう!」

「今度は間違えるなよ?」

「わかってるよ! ちゃんと確認するって!」



少し強めの口調で兄に言い放ち、部屋に戻って棚からスケッチブックを数冊取り出す。

……よし。全部服の絵だ。


兄の部屋に向かい、目をキラキラさせている先輩にスケッチブックを渡した。
< 72 / 264 >

この作品をシェア

pagetop