お日さまみたいな温かい君に包まれて
すると……。



「ハァ……息をするように嘘を吐く、夢ばっかり見て現実を見ない、勉強したと言うわりにはちっとも成績が上がっていない。学校では優等生ぶってて、家では文句ばかり。本当、外面だけはいいんだから」



わざとらしい大きな溜め息。
そして、次から次へと吐き出される悪口。


ご飯を頬張ってて反論できないのをいいことにブツブツと……。

文句? 外面?
何偉そうに言ってるの。自分のこと棚に上げないでよ。

っていうか、嘘を吐くって……。
まさか、私が体調悪かったのが嘘だって言ってるわけ……⁉



「あの男の子、確か昨日の面談の時に会った子でしょ? 清水さん……だっけ。嘘つき優等生に付き合わされて、本当気の毒だわ。可哀想に」

「……バカにしないでよ‼」



薄笑いを浮かべる母をキッと睨み付け、荷物を持ってリビングを後にした。

気の毒だ? 可哀想だ?
景斗くんのこと何も知らないくせに、勝手に哀れむな!


階段を駆け上がり、部屋のドアをバタンと閉める。



『学年で14番? 運が良かっただけでしょ。それより点数、去年と全然変わってないじゃない』

『進学させてあげるのに、何がそんなに不満なの?』

『お母さんは葵ちゃんのためを思って言ってるのよ?』
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