友達以上恋人未満~これを愛というならside story~
次から次に作っては、味見しても納得できねぇ………

期限はあと3日。


イライラと疲労が溜まり始めたタイミングで、少し休んだら?

まさか、こんな時間に梓も残ってたなんてな。

しかも、忘れ物を取りに来たとかで日付が変わるまで残ってるのも、見られてたとは………


「あと3日しかないんなんだよ!休んでられるか!だから、あと3日だけ何も言わないでくれ?」


見守っていて欲しかった、梓には。

察してくれたのか、それ以上は言わずに、わかった、と。


「私の舌でいいなら味見するよ?」


そうだな、一番に梓に食べてほしい。

だけど、こんなことは恥ずかしくて言えるはずもなく………


確かかよ?

蓮の料理ばっかり食べてるから舌がこえちゃった。


笑顔で言ってくれた梓に、思わず笑ってしまった。

その笑顔でまた癒されて、イライラも治まったな。


「一段落したら、梓にだけ飯を作ってやるよ」


食いたいもん考えとけ、と背中を向けた。

梓が癒してれた、何日かぶりに笑顔をくれた

お礼だ。


そういえば、繁忙期に仕入れにわざわざ行ってる俺に、

繁忙期くらい配達してもらったら?って言われたことあるな。


自分の目で見て、納得したものじゃないと使いたくないんだよ!

ついキツく言ってしまったにも関わらず、心配してくれてんのが伝わって。

俺が料理にかけるプライドも、情熱もわかってくれてんだなって思ったんだよな。

今も、無理にとは言わずに見守ろうとしてくれている。


そんな梓を好きなんだが……これって……まさかな。


かけがえのない大切な存在。

本当は……俺は梓をどう想ってんだろう。
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