君と私で、恋になるまで
「変わんないなあ、ちひろ。」
「へ?」
「そんなの黙ってたらバレないのに。」
「…そりゃそうだけど。」
でも今更ごまかしたくも無いと、顰めっ面をする私に一樹は「俺も懺悔します。」と告げた。
「就活の時、知り合った女の子がいて。
同じPR業界目指してた子で、何回か説明会とかグループワークも一緒になって。
内定者の集まりで同期だって分かって、嬉しいなって思った。
…ちひろに別れようって言う前から、俺の中でその子の存在はもうあった気がする。」
神妙な顔で、本当に罪を告白するかのような厳しい声色の彼に、私は少し笑ってしまった。
「…自分だってそんなの黙ってたらいいのに。」
「ちひろの真っ直ぐさに折れた。」
ごめん、と頭を掻く一樹も、出会った頃から変わっていないと思う。
「…その子とはどうなったの?」
「ああ、猛アプローチの末、最近やっと付き合った。」
「なんやて…羨ましい限りだよ……」
心からの気持ちが言葉に乗った私に、一樹は少し驚いた顔をして、それからふうんと笑みを濃くする。