君と私で、恋になるまで
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ブースへ戻ると、恐らく自分のクライアントと話を終えた古淵が椅子に座ったまま私に気が付いた。
「あれ、さっきの知り合いはもう良いの?」
「うん。ごめんねブース離れて。
瀬尾は?戻ってきた?」
「一回戻って来たんだけどさ、ブースに居ても営業よりは出来ること少ないからってまたチラシ配り行った。」
「…え、そうなんだ。」
今日は時間を決めて一応シフト制をとっている。
とは言っても、チラシ配りをしてくれる人が多いに越したことは無いので、とても有難いのだけれど。
「(ちょっと、話したかったな。)」
つい1時間前に会話したはずなのに、一樹に少しあの男のことを話しただけで会いたくなってしまう。
やはりこの気持ちは厄介だ、と心から思う。
だけど忙しい中、こうして手伝ってくれる瀬尾に恥ずかしく無い仕事をしたいし、そういう姿を見せたい。
気合いを入れ直して、ブースを訪ねて来たお客様に挨拶をした。