君と私で、恋になるまで


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「じゃあ、このまま現場行って直帰します!」

行ってらっしゃーい、という同じ課のみんなの声を背中で聞きながら私は慌ただしくオフィスを出る。



私の仕事は、自社で作っているオフィス家具の営業だ。だけど、ただ家具を売るだけでは無くて、空間デザインの提案をして、トータルコーディネートをできるところに強みを持っている。

社内には、家具の設計をする人もいるし、建築士の資格を持った人もいるし。

因みに、瀬尾は大学院まで空間デザインの勉強していて、今はデザイン部に所属している。
(だから同期だけど2歳年上だ。)


営業の案件がただの家具発注ではなくて、オフィスのリニューアルなど、規模が大きくなると企画部からデザイン部まで様々な部署が加わって1つのプロジェクトになるから、とても遣り甲斐がある。



工事の関係で現場へ行くことが多い私は、夏の暑い日も、冬の寒い日も、スーツにヘルメットで走り回る。
正直色気なんてものは皆無だ。


だけど、「お前らしいんじゃない」なんて、少しだけ口角を上げてどこまで本気なのって言いたくなるロートーンボイスで、馴染みの居酒屋で待ってくれている瀬尾がいるから、頑張れるなんてこと。


私は、いつになったら本人に言えるんだろう。



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