君と私で、恋になるまで
「……は、拝読しても?」
「どうぞ。」
ありがとうございます、そう言って恐る恐る手にとると、それは少し厚めの紙で三つ折りにされたリーフレットだった。
___"初めまして、オフィス運営委員会です!
いよいよリニューアル工事も間近に迫ってきました。
この委員会の最大の目的は、今後新しく生まれ変わったオフィスの活用方法を皆さんに発信していくことですが…
今日は第0回目として!
リニューアルに至るまでの長い道のりを紹介させていただきます!"
冒頭、そんな言葉と共に掲載されていた社内の風景写真で、社名が記載されていなくても直ぐに分かった。
____これは、香月さんの会社のものだ。
コンペの時のこと。
うちのプロジェクトチームと香月さんのチームが対面した時のこと。
行き詰まって全員で会議室で項垂れた時のこと。
今までの思い出を丁寧に、だけど簡潔に伝えるそのリーフレットのレイアウトはきっと。
あのいつも可愛いらしいライバルが作ったものだということも、分かってしまった。
運営委員会では、こんなものまで用意されていたというのは全然知らなかった。
ただ黙ってそれを熱心に見つめていると、
「…裏に写ってるの、枡川さんですよね。」
「え?」
そう告げた松奈さんは、目線だけで私の動作を誘導する。