君と私で、恋になるまで
「枡川さんお待たせしました!
設計で必要だって前に仰ってた書類、これだと思うんですが。
…あれ、吉野?なんでお前がいるの。」
「、」
香月さんの顔を見て、少しホッとした。
「ありがとうございます、担当に渡しておきますね。」
「…枡川さん?」
「次はまた来週、お伺いしますので。
どうぞよろしくお願いします。」
失礼します、そう早口で言いながらお辞儀した私は香月さんのことも、その隣の彼のことも直視できないままだった。
足早に立ち去る私は、どんどん視界がぼやけていく。
"まあ、よかったな、おめでと。"
それを掻き消すように歩く中で、
どうしてか、こんな時でも頬杖をついて、ゆるりとしたトーンで、そう笑ったあの男の顔を思い出してしまう。
___私、どうしよう。