君と私で、恋になるまで
一緒に仕事ができて嬉しかった。
会議中、急に真剣な眼差しで専門用語ばしばし使って話してくる奴に、「待って検索しながら聞くからゆっくり喋って!」って言ったら、らしくなく口を開けて笑って。
私のミスで資料の差し替えが発生して死ぬ思いで残業してたら、一階のコンビニで差し入れ買ってきてくれて「やばい俺良い奴じゃない?」なんていつものロートーンで手伝ってくれて。
大事にしたい彼と、積み重ねてきた大事な仕事だったから、私のせいで台無しになるのはやっぱり嫌だ。
明日、リーダーの件は部長に相談しよう。
そう自分を鼓舞してぐい、と涙を拭う。
相当涙を流し出してから時間が経ってしまった。
そろそろちゃんと仕事しよう、と独りごちた瞬間。
「______おい、」
「っ、」
目の前には、珍しく不機嫌そうな瀬尾が立っていた。心なしか息が上がっていて、いつも綺麗な焦茶色の髪が少し乱れている。
驚きで見開かれた目を元に戻すこともせず、私は固まってしまった。