君と私で、恋になるまで
スマホのメッセージをきちんと丁寧に自分の中で受け止めた私は、顔を上げた。
「……迎えに、行ってくる。」
「うん。」
「交友関係に口出すのとか、全然大人じゃないし、煩いって思われるのも嫌だし、って思ってたけど。
…でも、心がモヤモヤずっとしてるのも、本当だから。
私の気持ちは実はすっごい重いって、言ってきて、やろうかな。」
顔が真っ赤になってるのは、まだ半分しか飲んでないハイボールのせいでは無いことは私も、目の前でその
台詞に楽しそうに笑う亜子も分かっている。
「…さっきから何の話?」
全く会話を掴み切れていない古淵は、おそらくまだ私とあの気怠い男のことを知らないのだと思う。
「古淵。」
「え、はい。」
「古淵は、瀬尾が好きだよね。」
「え?…ああ、うん、それはもう。」
戸惑う中でも迷いなくそう答える古淵がなんだか可笑しい。
私のライバルは、あらゆる所にいるから大変だ。
「古淵、私もね。」
「え?」
「私も、瀬尾が凄く好きなんだ。」
そう宣言してしまえば、古淵はぽっかーーーんと口を大きく開けて固まる。
「じゃあ、行ってくるね。」と2人に笑って、とりあえずのお金をテーブルに置いて席を立てば、そこから4テンポほど遅れて「ええ!?!?!?」と古淵の素っ頓狂な声が背中に聞こえていた。
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「…声でか。鈍感な男ねほんと。
あんた瀬尾と本当に仲良いの?」
「え!?あの2人もしかして付き合っている!?!?」
「だからそうだっつってんでしょ。
というかこの広いテーブルで隣に座ってくんのやめて。あんた、ちひろが居た席に行ってよ。」
「え……いま本当に、驚愕の事態に、どどろきおののきしている…」
「馬鹿なんだから普通に"びっくりしてる"って言ってくれる?」
「えーーー…でもそっか、あの2人かあ…
良いな。めっちゃ嬉しいわ。
俺の好きな2人が付き合ってるとか幸福度高いわ!!」
「…あんたくらい素直に気持ち言えたら、人類みんな平和よね。」
「…?じゃあ、島谷にも言っとくわ。凄い好き。」
「それはどうも。」