君と私で、恋になるまで




「枡川さん、昨日の社員は勿論この案件には関与させません。

これからも、お世話になっていいでしょうか。」


「もちろんです…っ、よろしくお願いします。」


もう殆ど泣きそうな顔で深くお辞儀をした私に、香月さんも瀬尾も笑っていた。





入り口まで送ってくれた香月さんは、なんだか楽しそうに私を呼ぶ。


「あいつが俺と知り合いだって口止めした理由ですけど。

コンペに馴れ合いが生まれないようにって。
枡川さんが頑張ってるんだから、邪魔したく無いって言ってましたよ。」


「、」

「今日だって、謝罪なんだから俺が行くって言ったんですけど、これから何度も行くオフィスが怖くならないように、うちで合流したいって。」



誰に聞かなくてもわかる。私の顔はきっと真っ赤だ。



「愛されてますね。」

そう言って笑う香月さんに、「ど、同期なんで。」と謎の返答しかできなかった。



少し離れた所でエレベーターを気怠げに待つ瀬尾を見て、ふ、と笑顔が溢れたのは内緒だ。





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