君と私で、恋になるまで
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「……まって。生で観るスイの破壊力やばく無かった?」
「志麻ちゃんとにかく可愛かったー…」
明くる日の土曜日。
17時を少し過ぎた頃、私と亜子は映画の上映会場を後にしながらそんな感想を述べ合う。
亜子がひたすらに褒めているのは人気俳優のスイで、
志麻ちゃんと言うのは私が昔から好きな女優さんのことだ。
凄く綺麗だし可愛いし綺麗。大事だから2回言う。
2人が主演の今作は、本当に、最初から引き込まれ、とにかく面白かった。
舞台挨拶で本人達を肉眼で確認した時は、その麗しさに会場全体がうっとりとした溜息に包まれていたほどだ。
あの2人、なんか雰囲気が甘くない!?付き合ってんじゃないの!?なんて、亜子は隣でずっと何の根拠もない推理を述べていた。
その辺はどうだって良いのだけど。
「__瀬尾に、報告しないとね。」
私が笑ってそう言うと、亜子は一瞬目を丸くして、それから少し眉を下げて、そうね、と頷いた。