Dying music〜音楽を染め上げろ〜

ステージで待っていたのはー…







「早くしろよ〜！」

「おいガキ～そんなヒョロッヒョロで歌えんのかあー(笑)」





Midnightでは聞いたことのないヤジの数。


こっちを見てにもつく客もいれば、この仮面をつけた容姿を笑う客もいる。俺がここに立つことが初めてということもあるのだろう。このガヤガヤ感、どうも気分が悪い。



「おい、見ろよ！ビビッて何も言えてねぇよ！！www」











………………何だって？













「こりゃまずいな…マスター、マイク貸して。行ってくー」




シュートが止めに入ろうとした。けれど、その前に叫んだ。













「う“っせえなぁぁぁあ“！！」














ドスの効いた声がクラブ全体に響き渡る。声が大きすぎてマイクがハウリングする。観客はシーンと静まり返った。







「今からやるっつってんだろ⁉︎そんなに急ぐと寿命縮むぞ⁉︎」







自分でもこんなに大きな声が出ることに驚いている。まあ、そんなことは今どうでもいい。






…ビビっている？お生憎サマ、こっちはおかげでリミッター外せそうだよ。






マイクを通して観客に「一応」の注意喚起をする。





「言っとくけど、今から歌う曲はそんなに盛り上がる曲ばっかりじゃねえからな。暗い曲ばっかりだ。そんなテンション下がる歌聞きたくなかったら今すぐ席外せ。」



それだけ言うとギターを持った。




「マスター！！」



カウンタ一にいるマスター
に向かって叫んだ。



「音源お願いします。」

「お、おう！」