Dying music〜音楽を染め上げろ〜

スピーカーから曲が流れ始める。誰かに見られているなんて気にしなくていい。自分の音楽を楽しめ。




🎶〜♩♬ｯ〜！♩🎶〜







いつもはあまりしない、ピッキンングハーモニクスの奏法を多く入れる。ピッキングした瞬間、親指の側面を弦に当てる。そうすることで「キィーーン」と鋭い音が鳴る。






アドリブもバンバン入れる。


力任せもいいところだ。


でも今は、雑な弾き方になっても構わない。











一なんでこんなに苦しいんだよ

ーウゼェ奴らは消えちまえ

ー片道切符で地獄に落ちろ














いつもより感情移入して涙が出そうになる。


間奏部分は即興アドリブねじ込む。


…これサポートじゃ絶対にやらないんだけど、今入れたい。












ピュｨｨｨｨｨｨーーーーーﾝｯｯｯﾝﾝ!‼︎‼︎



















ヘッドピーン。


耳の鼓膜貫く鋭い音。















好きに弾け


好きに歌え


悲しめ


怒れ


遠慮無しのホントの音。


もっとギア上げろ。









(ｷｭ…ッｯ！！）










高音が出なくて喉が締まる。


けど、いい。


自分の歌声にギターの音色を乗せる。


怒り、劣等感、悲しみ。全部！


気が裂けるようなキレのある演奏を。










🎶〜♪♪〜♫〜〜！‼︎













これが、俺の音だ。






































ーーーーーーーーーー…



















「はあっ…はあっ…ん…ッ…ありが、とう…ございました…ｯ」





深くお辞儀をしてステージを降りようとした。その時だ、…割れるような拍手が起こった。








ー　「鳥肌モンだ…！」

ー　「何だこりゃ…」








みんながこちらに拍手をしている。

もう一度お辞儀をするとステージを降りた。