訳アリなの、ごめんなさい
「はぁ、っあン、もぅ、、だめぇ」

シーツにしがみつきながら枕に顔を埋めて、鳴き声に近い声を上げて、私は何度目になるかわからない絶頂に上り詰める。

それでも彼は容赦なく私を責め立てて、私は身体を震わせて、その更に奥から来る、新しい波にすすり泣きのような悲鳴を上げる。

くたりとした、私の背に彼が呻き声を上げて覆いかぶさる。彼も達したらしく、わたしの中の彼の楔がビクビクと欲を吐き出しているのが分かった。

はぁはぁと荒く息を吐きながら、彼が私を掻き抱くとぎゅっと腕に力を入れてそして力尽きるように緩んだ。


背中に当たる彼の息が熱くて、どちらのものかわからない汗がしっとりお互いを濡らしている

何時間こうしているのだろうか。

時間の感覚が全くなくて、辺りを見渡すが、まだ空は暗い。

「あっ」

中から彼が引き抜かれる感覚にぞくりと身体を震わせる   

彼がわたしのシーツを握ったままの手に大きな手を重ねる。

「大丈夫か?」

耳元で聞かれて頷くと、クスッと彼が耳元で笑った。

「上手にイケるようになったな」


「もぅ!」
怒って突っ伏すと、彼がゆるゆると私の髪をすく。

湿ったままだったから、きっと朝には凄い事になっているのだろう。

そんな事を思いながらも、もうシャワーを浴び直す気力もない。

彼に包まれた暖かさの中で眠りにつく。
不思議なことに、トランの結婚式の招待状のことは頭の片隅にも残っていなかった。
< 85 / 116 >

この作品をシェア

pagetop