訳アリなの、ごめんなさい
ノードルフ邸を訪ねたのは日曜の午後だった。
折角だからと前日からストラッド邸で2人でのんびりと過ごしてから向かう。
「あらいい顔になっているじゃない?愛されてる証拠ね!」
式後の私の憂鬱そうな表情を見ていた叔母は心底ホッとしたように笑うと、私達を中庭に面したサロンに招く。
先にソファに座っていた叔父は、私達の姿をみると、「ずいぶん並びが様になってきたな」と笑って対面のソファを勧めてきた。
並んで座ると侍女がお茶や菓子を出して、退室していく。
「まずはこれを渡しておこう」
そう言って叔父が差し出してきたのは、トランの結婚式の招待状だった。
「来月なのね?お相手は?」
叔父を見上げれは、彼はカップをソーサーに戻して頷いた。
「どうやら、商家の娘のようだな、貴族の名が欲しい商家と、金に困った伯爵家、まぁわかりやすい構図だな」
よくある話だ。と彼は肩を竦めた。
「だから、賠償金も?」
あんな大金がウェルシモンズ家に残っているとは思えなかったから、ずっと不思議だったのだ。
妻の家から出してもらったのだろう。
「そのようだな。
しかし、これはよかったかもしれん、金の心配がなくなった奴らがアーシャに固執することはないだろうからな」
そう言った叔父は、少し肩の荷が降りたような顔をしていた。
「確かにそうですね」
息を吐く。そうであるなら、どれほどよいだろうか。
「ついでに彼らの弁護士からも通知が来た」
そう言って叔父が出してきた書類には
『辞任通知』と書かれていた。
弁護士?辞任?なんの事だろうかと、首を傾げる。
「まぁ、当然だろうが、奴らはアーシャの身元引受人を主張する訴えを取り下げた。
こんなもの、君たちが夫婦になってしまえばなんの意味もないからな。」
叔父は、さも当たり前の事だと言わんばかりな口調だ。
「どう言うこと?」
叔父と叔母を見渡して、最後に彼を見る。
目が合えば、ブラッドは少し気まずそうな笑みを返してきた。
「言ってなかったの?」
そんな私達の様子を見ていた叔母が、驚いたように彼を見る。
「言ったらアーシャは怯えたでしょうから。
実は、伏せていました。
結婚してしまえば回避できることだったので、言う必要もないかと思いまして。」
そう言った彼は私の手を握る。
「黙っていてすまない」
私は、そこでようやく色々に合点がいった。
つまり、彼はこれを前から知っていたのだ。そしてそのために、自らが悪者になって私との結婚を強引に進めた。
考えたら喉の奥が苦しくなって、涙が出そうだった。
声が出せなくて、代わりに小さく首を振る。
「とにかくこれで、何とかなった。だから君達は安心して過ごしなさい。」
叔父のいつもの柔らかい声が私と彼に向けられて
「ありがとうございます。」
そう頭を下げたブラッドに続いて、私も頭を下げた。
折角だからと前日からストラッド邸で2人でのんびりと過ごしてから向かう。
「あらいい顔になっているじゃない?愛されてる証拠ね!」
式後の私の憂鬱そうな表情を見ていた叔母は心底ホッとしたように笑うと、私達を中庭に面したサロンに招く。
先にソファに座っていた叔父は、私達の姿をみると、「ずいぶん並びが様になってきたな」と笑って対面のソファを勧めてきた。
並んで座ると侍女がお茶や菓子を出して、退室していく。
「まずはこれを渡しておこう」
そう言って叔父が差し出してきたのは、トランの結婚式の招待状だった。
「来月なのね?お相手は?」
叔父を見上げれは、彼はカップをソーサーに戻して頷いた。
「どうやら、商家の娘のようだな、貴族の名が欲しい商家と、金に困った伯爵家、まぁわかりやすい構図だな」
よくある話だ。と彼は肩を竦めた。
「だから、賠償金も?」
あんな大金がウェルシモンズ家に残っているとは思えなかったから、ずっと不思議だったのだ。
妻の家から出してもらったのだろう。
「そのようだな。
しかし、これはよかったかもしれん、金の心配がなくなった奴らがアーシャに固執することはないだろうからな」
そう言った叔父は、少し肩の荷が降りたような顔をしていた。
「確かにそうですね」
息を吐く。そうであるなら、どれほどよいだろうか。
「ついでに彼らの弁護士からも通知が来た」
そう言って叔父が出してきた書類には
『辞任通知』と書かれていた。
弁護士?辞任?なんの事だろうかと、首を傾げる。
「まぁ、当然だろうが、奴らはアーシャの身元引受人を主張する訴えを取り下げた。
こんなもの、君たちが夫婦になってしまえばなんの意味もないからな。」
叔父は、さも当たり前の事だと言わんばかりな口調だ。
「どう言うこと?」
叔父と叔母を見渡して、最後に彼を見る。
目が合えば、ブラッドは少し気まずそうな笑みを返してきた。
「言ってなかったの?」
そんな私達の様子を見ていた叔母が、驚いたように彼を見る。
「言ったらアーシャは怯えたでしょうから。
実は、伏せていました。
結婚してしまえば回避できることだったので、言う必要もないかと思いまして。」
そう言った彼は私の手を握る。
「黙っていてすまない」
私は、そこでようやく色々に合点がいった。
つまり、彼はこれを前から知っていたのだ。そしてそのために、自らが悪者になって私との結婚を強引に進めた。
考えたら喉の奥が苦しくなって、涙が出そうだった。
声が出せなくて、代わりに小さく首を振る。
「とにかくこれで、何とかなった。だから君達は安心して過ごしなさい。」
叔父のいつもの柔らかい声が私と彼に向けられて
「ありがとうございます。」
そう頭を下げたブラッドに続いて、私も頭を下げた。