燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
「ううん」
あたしは首を横に振った。
「つばめちゃん?」
「ごめんなさい。このこと拓海に言わないで。変に心配させちゃう」
「でも」
「お願いします」
あたしはまっすぐ頭を下げた。
すると、麗子先生は少し悩んだ後、あたしの両手をそっと自分の手で包む。
「約束して。無理はしないで。あと……私は何があっても、『つばめちゃん』の味方。工藤先生もそう。それにたくさんの人が、あなたが困ったときは助けたいって思ってる。あなたが今までたくさんの誰かを助けたみたいに」
「ありがとうございます」
全部が分からないながらも、あたしは頭を下げる。
そして、立ち上がる。さっきの男の人を探すために……。
あたしの足はいつの間にか走り出していた。