燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
「すまない。お、俺は、前はマルボウ担当で……。あまりこういうのに慣れてないんだ」
小さく大熊さんがつぶやく。
そして、すっと静かにハンカチを差し出した。
私はそれを見つめる。
紺の、まったくかわいげのないハンカチ。大熊さんらしい。
そう思ったとき、その間を勘違いしたのか、
「大丈夫、しっかり洗濯してある」
と真剣に言うものだから、私は吹き出してしまった。