燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
「再来週少しまとまった休みが取れそうなんだ。遠いところは無理だけど。車で2時間くらいのとこならいけるし、旅行でも行かない?」
その日の夜、つばめに提案してみる。
つばめは目を輝かせて、旅行⁉ と言った。
「うん、好きなとこ選んでおいて」
「いいの⁉」
「うん」
「拓海大好き!」
そう言って飛びついてくる。
僕は相変わらずの彼女に笑った。
そしてつばめは楽しそうに旅行の本をめくって、
それから少しすると、一瞬何かを感じたように、小さく表情を変えた。
僕は思わず顔を上げて彼女の顔を見る。
「つばめ? どうしたの?」
「いや……ううん、なんでもない。旅行、早く行きたいね!」
と笑った。
さっきのつばめの表情に、自分はどきりとしたんだ。
その不安そうな表情を見て、僕は何かが変わり始めていることに気づいた。