燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~


 私は思わず、

「でもアキレス腱ってことは整形ですよね? こんなとこで何してたんだろ」
「さぁ、コンビニでも行ってきて迷ったんじゃない。あの人、ああ見えて、すごく方向音痴なのよ」

 呆れたように一条先生は笑う。

「それにしても、お二人ともすごいですね。あんな大柄で怖そうな男性でも怖くないなんて」
「あれくらいはかわいいものよ」

 一条先生、やっぱり美しくて、かっこいい。ほれぼれしちゃう。
 私がうっとりと一条先生を見つめていると、天馬先生は、

「それより、退院の準備できた?」

と私に聞いてきた。


「あ、はい……」

 私は先ほど母から聞いて、入籍と同居の話も、仲が良かったという話も、どうやら本当のことだと気づくと、なんだか天馬先生と話すのが落ち着かなくなっていた。


 天馬先生と私が?
 仲良し? ラブラブ?

 一条先生と天馬先生ではなくて?
 私の頭の中は疑問符で埋まる。

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