神様に人の不幸を願ったら、運命の相手を紹介されました
「恋愛、運命の人あらわれる。
縁談、良縁、すぐにまとめよ。
待ち人、すぐに来る。
……って」

これって運命の人にはすぐに会えるから、その人とさっさと結婚しろってことですかね……?

「すぐって、いつよ?」

ぱたんと後ろ向きに倒れ、思い浮かんできたのはあの、彼の顔。

「いやいや」

でも、このおみくじを引いてすぐあとに会った、該当するような人間は彼しかいない。
もし彼が本当に運命の人だったら……。

「ありだ」

あの場で、私のために動いてくれたのは彼だけだった。
それに私が泣きだしても変に慰めたりせず、ただ隣に黙って座っていてくれた。
ああいう気遣いは、嬉しい。

「うん、そうだよ、きっとそ……」

一気に有頂天になりかけたところで重大な失敗に気づき、一気に気持ちは沈んでいく。

「連絡先も、名前すら聞いてない……」

はぁーっ、とため息をつき、缶酎ハイを開ける。
いくら運命の彼に出会っていたとしても、どこの誰だかわからなければ発展しようがない。

「詰んだ。
詰んだな……」

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