神様に人の不幸を願ったら、運命の相手を紹介されました
ぐびぐびと一気に酎ハイを呷り、はーっと酒臭い息を吐く。

「神様の意地悪……」

これはやはり、神様に人の不幸を願ってしまったせいなんだろうか……。



過ぎたことを悔やんでも仕方ないので、彼のことは忘れることにした。
それでもあのおみくじはなんか気に入って、お守り代わりに財布に入れている。

――そしてその日。

「こんにちは。
森光(もりみつ)商事』の……」

「は……い?」

来客の応対に出た時点で、互いに固まる。
だって相手は、――あの、彼だったんだから。

「あ、えっと。
森光商事の杉岡(すぎおか)と申します。
山路(やまじ)様はいらっしゃいますでしょうか」

「……はい。
少々お待ちください」

一瞬、見つめあったあと、我に返るのは彼の方が早かった。
私も何事もなかったかのように山路さんを呼び、奥へと引っ込む。

……え、なんで。

財布の中から礼のおみくじを取り出し、改めて読む。

【恋愛 運命の人あらわれる】

「運命、運命……」

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