捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「誰がこんな女にしたのよ。一人で子供を産んで、瑠偉を守ってきたのよ。昔みたいに弱い女じゃいられなかったのよ」
その言葉に、祥吾さんがハッとした表情を浮かべる。それは再会してから初めてみた何かを耐えるような苛立ちと、悲しみが混ざったような表情だった。
「いいな、瑠偉の親権を取られたくなかったら、俺と結婚するんだな。あの専務とは別れておけよ。あいつよりはいい思いをさせてやるから文句はないだろ」
そこまで言われた途端、私はもはや我慢できなくて思い切り平手をしていた。
バシッという音と一緒に、私の手のひらも痛みが走る。
「どうして、どうしてそんなことを言われなきゃいけないのよ。私がどんな思いで……」
とうとう我慢していた涙がポロポロ零れ落ちる。
そんな私に背を向けるように、祥吾さんは行ってしまった。
どうして? どうして。
何も意味がわからない。溢れる涙を拭うこともせず久しぶりに私は一人で泣いた。