捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「じゃあ、その真っ白な顔が治るまで目でも閉じとけ」
ポンと自分がいつも仮眠用に使っているブランケットを私に放り投げる。
「ありがとうございます」
確かに仕事ができるような精神状態ではなかった私は、素直に専務の好意を受け取ることにした。そんな私に専務は何も言うことなく自分のデスクで仕事を始めるのをみて、私は自分の顔をブランケットで隠すとギュッと目を閉じる。
どうして今になって……。
それ以外の言葉が浮かばないが、この業界にいればいつか再会する可能性は覚悟をしていたはずだった。
でもあの時の顔。
どうしてあなたが怒るのよ。どうして……。
きっと専務も東和社長が怒っていたなど、全く気付いていないだろう。
でも、あれはめちゃくちゃな怒りだ。それが今でもわかってしまう自分が嫌になってしまった。