捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「いや、でも確かに秘書のパソコンから消されていた送信履歴が確認されているし証拠はそろってるぞ」
「ああ」
そうなのだ。あの時秘密裡に勧められていた内部調査で、確かにすべての証拠が紗耶香が犯人だと導き出していたし、むしろ俺も共犯として疑われたほどだ。

「新商品の情報をあの時知っていたのは、まだお前と秘書、そして一部の商品開発の人間だけだろ?」

「ああ。だからお前を呼んだんだよ」
その言葉に龍はじっと俺の瞳をのぞき込んでくる。

「どうして、今更。そして秘書が犯人じゃないって言いきれるんだ?」

龍の問いかけは当たり前で、俺も紗耶香に再会するまで、彼女を信じられたなかった。しかし、中絶することもできたのに、あんなにまっすぐな瑠偉を育ててくれた彼女。
そして、俺といるときもいつもまっすぐだった。そんな彼女を信じられなかったのは、俺がただの裏切られたと思ったショックからだった。
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