捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
感情を出せる相手か……。
小さいころから将来を決められていた俺は、大学入学までは優等生だったと思う。
それ以降、自分のステイタスにしか人が寄ってこない事に飽き飽きしていた。
昔、海外の血が混じっていることもあり、色素の薄い俺は軽くみられることも多かったため、それを利用して、いつの間にか軽薄さを装い、感情を見せないことで自分を保つことを覚えた。
軽くてバカな二代目を演じていれば、周りは俺の事を油断するし、それに伴いウロウロする打算的な人間も増えた。それをいかに有益な相手だけを見極め、俺は業績を上げてきた。
しかし、紗耶香と出会いあの時だけは、自分を見失った。
それぐらい彼女を大切にしていた。半ば無理やり関係を迫ったこともあり、紗耶香の気持ちを俺に向かせるために、あの手この手と口説いている最中にあの事件だ。
俺が冷静さをかいたのは、あの一回だけだと思う。それが、こんなにも俺達の人生を狂わせたなんて。