捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
仕事を初めて二か月もすると、初めに聞いていた通り、東和常務のプライベートはおもいきり派手で、週刊誌さえ賑わしていることを知る。
「紗耶香、今日の予定は?」
何度言っても私のことを名前で呼ぶ常務に、小さくため息を付きつつタブレットを操作する。
「午前中は海外事業部との打ち合わせの後、午後は書類を見ていただき、夜はSテックとの会食になります」
淡々と答える私に、常務は茶色の少し長い髪をかきあげる。最近知ったのだがこの髪は地毛らしい。瞳も少し珍しい色だ。ダークグレーとブルーを混ぜたらこの色になるのだろうか。そんなことを思いながら眺めていると、不意に目の前に常務がいるのに気づく。
「本当に紗耶香って俺を見ても顔色一つ変えないよな」
他の女性ならすぐに顔でも赤くなると言わんばかりのその言葉に、呆れて嫌な顔をしたのだろう。常務は少し面白くなさそうな顔をする。