捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました


「誰でもご自身に好意を持つとは限りませんよ」
仕事はとても出来るが、やはりこの軽薄さだけは好意を持つことが出来ず、プライベートでは私はかなり嫌悪していた。不特定多数の人と付き合うことも、真面目に付き合わない事も、私の中の常識では考えられない。

「そんなことを言うのは紗耶香ぐらいだ」
小さくため息を付きながら言うと、常務はジッと私を見据える。

「もう少し俺の秘書らしく派手にしたら?」

「はあ?」
つい本音が漏れてしまい、慌てて口を押えて常務から視線を外す。

「その地味なブラックスーツじゃなくて、もう少し明るい色にして、このひっ詰めてる長い髪もおろしたらいいじゃん」
軽く言いながら一つに止めていたバレッタを、なんの躊躇なく常務は外してしまう。

「私に構わず仕事をしてください」
さすがにこんな至近距離で触れられ、私は狼狽するのを隠すように外された髪をもう一度束ねようと触れる。
< 17 / 251 >

この作品をシェア

pagetop