捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

そんな私を見て、面白そうにクスリと笑うと「わかりましたよ」と、少し緩んでいたネクタイをキュッと占めながら自分のデスクへと戻っていた。

それを見届けると、私はすぐに常務から背を向けタブレットに視線を向けるふりをする。
苦手な相手だと言っても、あの綺麗すぎる顔は反則だ。まったく免疫のない私には刺激が強い。ドキドキとする鼓動をなんとか抑えようと小さく深呼吸をする。

チラリとみればさっきまでのふざけていた表情は全くなく、仕事モード全開の常務がそこにはいた。軽薄なイメージはまったくなくなり、スマホを片手にパソコンを操る姿は秘書にならなければ見なかった姿かもしれない。

まったくよくわからない常務に翻弄されていることを、綺麗に隠せているだろうか?

そんなことを思いながら、私も仕事を始めた。

意外なところがあるからと言って、だから別になんでもないじゃない。

そう自分に言い聞かすと、私は小さくため息を付いた。
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