捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

こぢんまりとしているが、個室になっていてメニューもとてもおいしそうだった。

二人で今日のご膳を頼むと、私は目の前のお茶に手を伸ばしながら結城さんに頭を下げた。


「五年前は挨拶もなく退社して本当にすみませんでした」
私の謝罪に、結城さんは首を振ると私を切なさそうな瞳で見つめた。

「あの後大丈夫だった? 急に辞めた理由もわからなかったけど、やっぱり異動が原因よね」
思い出してまた怒りが沸いてきたのか結城さんは顔をしかめる。

「もういいんです、過去のことですし、今は新しく生活してますから」
「そっか。さっきの人は今の上司? どうして今日はこんな場所で?」
その疑問はもっともだ。あんなことがあった会社の近くで上司といるなんて普通なら考えられなかっただろう。
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