捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「うわー。本当に気持ちが悪い」
「和泉さん、それはどうかと思う」
その言葉に今度は私が笑い声をあげた。鏡花さんといい、和泉さんといい素敵な知り合いが出来て本当に嬉しい。

「名残惜しいかもしれないが、帰ろうか」
専務のからかうような声に、少しムッとするも私は和泉さんに頭を下げる。
「立花さん、これからよろしくね」
和泉さんも小さく手を振って笑顔を向けてくれる。

専務のニヤニヤする顔を見ないようにしつつ、社長室を後にした。


二人に見送られながら、私たちがエレベータに乗り込むと専務が口を開く。

「怒るなよ。悪い意味じゃなんだから」
「え?」
後ろを振り返れば、専務は嬉しそうな表情を浮かべていた。

「今の喜怒哀楽がある立花が本当の立花だろ。最近社内でも立花が柔らかくなったって噂だよ」
その言葉に私も唖然としてしまう。
たしかに、最近は一人で頑張らなければと気負うことが無くなった気ががする。

私を昔に戻すのは、やはり祥吾さんだという事を改めて感じてしまい、大きなため息が零れた。
< 199 / 251 >

この作品をシェア

pagetop