捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
常務のお父様である東和誠也氏は、未だ東和電機の社長に就任されているが、やはり一時期の全盛期を思えば日本製の家電は売り上げが落ちている。そこで新たな分野に進出する際に、率先して常務が手を上げ業績をあげていると聞いた時は、意外に真面目にこれからの会社を考えているのだと見直したものだった。
初めは都内に始めたカフェも、今は北海道と沖縄を除く全国に展開するまでになり、今回北海道には満を持して、充実したフードメニューを提供するレストラン&カフェを初出展する。
常務は自ら出店する場所の確認も、市場調査も自分の目で見て判断するため、これまでも出張は多く私ももはや慣れっこだ。
初めのころは年頃の男女が一緒になんてと思った事もあったが、相変わらず地味な私は、常務の遊びの女にはかすりもしないようで、何度となく出張に行っても全くと言っていいほど、上司と部下の関係を逸脱することはない。
明日からの北海道も一泊だが、常務にとって私などその辺の草と同じだろう。
「紗耶香、もう時間だ。明日の朝は迎えに行く」