捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「年上よね? 包容力もありそうだしあの大村グループの御曹司? 素敵じゃない。いいなー。優良物件。うちの社長はもう相手がいるから無理だから羨ましい」
いつ口を挟もうと思った私だったが、今聞いた言葉が心にひっかかる。相手というのは私でいいのだろうか? 聞いてはいけないそう思うのに、私の口からはすでに言葉が零れ落ちていた
「東和社長の相手って」
もし私ならば、結城さんは相手を知らないはずだ。じゃなければ私と専務なんて言うわけがない。
ドクンドクンと自分の物ではないような心臓の音が聞こえる。
「ああ、すごく仲が良くて親密な人がいるのよね」
その言葉に、思った以上にショックを受けた自分に驚いてしまう。
自分の気持ちがわからないなんて、今までよく言ったものだと思う。祥吾さんが誰かと、いや、自分以外の人と親密そうにしていたという噂だけでも胸が苦しい。
あの優しい瞳が他の人に向けられるなんて、誰かに触れるなんて。
嫌だ。
はっきりと感じた嫉妬心。こんな事でわかるなんて。祥吾さんの気持ちに甘えていたのは私の方だ。
でも、ずっと好きだと真摯に言ってくれている祥吾さんをまた信じられないのだろうか?
私はグッと唇を噛むと自問自答する。