捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「紗耶香は大村専務とどうなの?」
祥吾さんの相手の話など、結城さんにはどうでもいいことだろう。
私の話を聞きたくてうずうずしている結城さんに、私はキュッ手を握りしめ覚悟を決めると、結城さんをみた。
「私の相手は専務じゃないんです。東和社長です」
その言葉に結城さんは心底驚いた顔をした。
「え? うそ。あっ、噂だから。違う」
慌てる結城さんに申し訳なくて、私は首を振ったところにランチのパスタが運ばれてくる。
「食べましょう」
私が笑みを浮かべて言うも、結城さんはまだ驚いているようだった。
まさか、私の相手が東和社長だと少しも思っていなかったのだろう。
さっき言ってしまった言葉をどう否定しようか思案しているようだった。
無言でパスタを運んでいる結城さんに、私は食べる手をとめて口を開いた。
「結城さん大丈夫なので気にしないでください」
その言葉に、結城さんは大きな瞳をチラリと私に向ける。
「紗耶香、ごめんね。まったく想像していなかったから。昔から好きだったの?」
当たり前だ。結城さんからすれば、辞めさせられて憎んですらいると思っていた相手のはずだ。