捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「いたっ」
いつのまにか壁に押し付けられるような形になっていて、私は頭を壁に打ち声を上げた。
そこで祥吾さんも我に返ったように、ハッと動きを止めた。
「悪い」
まだ熱を孕んだ瞳のままの祥吾さんに、私は首を振る。
「紗耶香、さっき言った言葉」
お互い息が乱れている。
大きく息を吐いた祥吾さんは、私を壁に押し付けたまま上から見下ろす。
きっと好きだとさらりと言った言葉を信じられないのだろう。
私は息が整うと覚悟を決めて言葉を発する。
「今日、祥吾さんに親密な女性がいるって聞いて嫉妬でおかしくなるかと思った」
その言葉に祥吾さんは何も言わず、目を見開いたまま私を見つめていた。
「約束して。祥吾さんに触れていいのは私だけだって」
そう言葉にしつつ、恥ずかしさを隠すようにそっと私からキスをする。
しかし、祥吾さんは微動だにしなくて、私は少し不安な気持ちになり目を開けると、そこには初めて見る祥吾さんがいた。
顔が赤く口元を手で押さえて、照れているのが解る。
「祥吾さん照れ」
その言葉は最後まで言わせてもらえず、いきなり身体が宙に浮く。