捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「気持ち悪いでしょ。あんまり見ないで」
完全に消えることなく、少しケロイドのように腫れている傷は、瑠偉を産んだ証だがやはり大好きな人に見られるのは不安だ。
「そんなわけないだろう。この傷も愛しい。瑠偉を産んでくれてありがとう」
そう言ってくれた言葉に、私は今までの苦しさや、寂しさが溶けていく気がする。
嬉しくてポロポロと涙が零れ落ちる。
何度も傷にキスをしていた祥吾さんが、困ったように私の涙を拭う。
「泣かすつもりなんてなかった」
「いいじゃない。嬉しいだもん。泣きたいの……」
子供のようにいった私に、祥吾さんは両手で私の頬を包み込む。
「今まで俺の分も頑張ってくれてありがとう。これからは俺が全部守るから」
この意思の強い瞳が大好きだった。そして今更に気持ちが大きくなった。
「うん。私も祥吾さんを幸せにしたい」
額と額をくっつけると、お互いどちらからともキスをする。
その後、ゆっくりと5年ぶりに私たちは身体を重ねた。
5年前よりも熱くて、気持ちが通じ合うということが、こんなに甘く幸せなことを初めて知った。