捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「また出張か……」
会社では何もない顔をしていても、毎回あれだけのハイスペックな人と行動するのは労力を要する。そして……。
ぼんやりと鍋をかき混ぜながら私は小さくため息をついた。
私のずっと内緒にしていること。
誰かに話しをしてしまうと、もう止まらない気がして言葉になどできないが、私はたぶん、常務のことを好きになってしまった。
どうして自分が常務の秘書になったかを、何度となく自分に言い聞かせて仕事はしてきた。
でも……。
ここ最近では、常務の少しの言葉で嬉しくなり、デートに行く姿に心が痛くなる。
昔なら常務のデートの店を予約するのも、何も思っていなかったが今は、本当はそんなことはしたくはない。
こんな気持ちがバレてしまえば、もちろん一緒に仕事などできなくなってしまう。