捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
次の日、あっという間に北海道の地に降り立てば、四月半ばというのにまだ風は冷たく私は寒さにビクッと肩を揺らした。
「思ったよりまだ寒いな」
常務もそれを感じたようで、言葉にした後すぐに自分の世界に入り込む。
「今年は少し例年より気温が低いから、それもきちんと考慮するようにチームに伝えていてくれ」
「はい」
いつでも出せるようにしてある手帳に私は走り書きのように書くと、常務の背中を追う。
感覚というか直感というのだろうか、天性の才能なのだろう。思ったことをすぐに口に出す常務の横では、このノートは必須だ。タブレットやスマホに入力する時間すらない。もう次の事を考えているだろう、常務の采配は今までどれも見事に的中している。その反面事務仕事などはどうも好きではないようだ。
真面目で資料整理や、まとめることが好きな私が重宝されるのも今では納得だ。
用意していた車に乗り込むと、いつも通りすぐに目的地には向かわず、とりあえず街並みや人たちの観察から始まる。