捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「降りる」
その言葉に私は運転手さんに近場に車を止めてもらうと、常務と車を降りた。そして私はすぐにタブレットを開くと無言で常務に手渡す。それが当たり前のようにその数字を確認しながら周りの店舗や、導線を確認する。

「この道がメインだな」
完璧なスーツ姿で歩く姿を、ちらちらと周りの女の子たちが視線を送る。そんなこともすでに慣れっこだろう常務は何も気にしていないようで、淡々と仕事をこなしていく。
あっという間に時間が経ち、常務がようやく一息つく。

「またやったな。悪い紗耶香。お腹すいたよな」

「いえ、大丈夫です」
いつものことで私は、カバンに手帳などをしまうと小さく息を吐いた。
「お時間がかかりそうだったので、一度車を返してしまったのですぐに呼びます」
私がスマホを手にするのを、常務は阻止すると柔らかな表情を見せる。

「せっかく来たしブラブラ歩いて何かも食べるか」
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