捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「え?」
もちろん調査のために、同業者の店に行くと思っていた私は驚いて常務を仰ぎ見る。
「紗耶香、カニが好きって言ってたよな」

そんなことを言ったことがあったのだろうか? 確かに私はカニが大好物だ。

「でも、偵察を」

「ほとんど分かったし、明日もある。でもこんな時間か」
昼前に着いて、今時計は一五時を回っていた。

「軽く何か食べて、夜美味いもの食べるか」
常務は自己完結すると、目の前の大通りに目を向けカフェを指さす。

「あそこは気になってたから、軽く食べよう」
おしゃれな店構えのその店に入ると、二人で窓際の席に座る。バイトの面接のように見えそうな私たちに、かわいらしい定員さんが水を持ってきてくれる。
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