捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「さあ、紗耶香行こう、今からデートだ」
「はあ?」
その訳の分からない言葉に私は声が裏返ってしまう。今まで何度も泊りの出張などあったのに、どうしてこんなことになったのかわからないまま、店を出る常務の後姿を追いかけた。
「あの、常務どうしてこんな」
問いかける私に、常務はくるりと私を振り返るとジッと見つめてくる。それだけで何も言えなくなってしまい、私は口をつぐんだ。
「祥吾さんだろ」
「え?」
言われている意味が分からず、聞き返す私に常務はもう一度繰り返す。
「ただのデートに見せかければ、きっといろいろなことが見えるはずだ。だから常務とか色気がないことは言うなよ」
いきなりそんなことを言われても、急に変えられるわけもない。口をつぐんだ私をおもしろそうに見ながら、あろうことか常務は私の手を取る。